ダイバーシティ

ダイバーシティ&インクルージョンについて色々思ったことを書いたブログ

営業本部でのダイバーシティ推進活動 7

 

  その時考えた事を書いていこうと思う。

  まず、「女性に焦点を当てる」ということは、女性が男性と同等に活躍できる環境を実現する事であり、女性に下駄をはかせることではない。

 新卒の採用をしていると毎年思うのだが、男性と女性の学生で、性別による差はない。どちらかと言うと女性の方がしっかりとしている印象を感じる事が多かった。結果的に、当時は男女の採用比率はほぼ半々だった(女性の方が多い時もあった)。翻って社内を見ると男性が9割程度を占め、管理職の比率はも男性の方が明らかに高かった。もっとも20~30代では女性の比率は30%台だったと記憶しているが、それでも女性の定着率は男性に比べると低い状態だった。

 入社時は男女差がないのに、なぜ数年経つと昇進の比率や離職率などに差が出てくるのだろうか?

 理由はいくつか考えられる。彼女達が独自の価値観で会社を辞める事を選んだり、プロモーションに価値を置かないのであれば、それはそれぞれの人生観なので尊重されるべきで、そこにまで踏み込むことは無いと思う。

  しかし、当時ぼくが気になったのは、アンケートなどで、会社でのキャリアや昇進に関して興味がありますか?的な質問をした時に、「イエス」と答える比率は男性の方が明らかに多かったのは想定内ではあったが、女性は「イエス」と「ノー」の間の「どちらでもない」と答える比率が男性に比べて非常に多かったことだった。

 察するにロール・モデルもないし、詳しいことを相談する相手や機会がなかったので「よくわからない」のではないか?あるいは結婚したり、子供が生まれたり、夫が転勤になったらと考えると、「よく分からない」ではなく、将来のキャリアなんか考えても仕方ないと半ば「あきらめている」のではないのではと思ったりもした。

  同等の機会を提供するということは、どちらかが、自然にできる事を、一方ができない状況が存在するのであれば、それが自然にできる環境に意識的に開発していくということなのだ。その活動の一端だけを見ると、女性ばかりなぜ?となるかもしれないが、今迄無意識のうちに形成されていた環境を、取り組めば人材という資源を有効に活用できる機会として捉えれば、会社としてアクションを加える事は、他社がやっていないのであれば尚更、競合優位性を産み出す効果的な戦略となるのではないだろうか。

 ワーク・ライフ・バランスや柔軟な働き方を戦略に入れて、会社としても効果的な解決策を機会として考えるべきだし、ネットワークの構築やメンター制度なども同じである。それだけでなく、組織として、無意識であることに関して意識するよう理解を深める機会を積極的に作らなければならない。

 一方で、会社が全て解決できる訳ではない事も実状として認識しておかなければならない。日本の風習と言うか、例えば家事や育児は女性がする的な事が原因であるならば、それは行政や社会が考える必要があるかもしれない。

 自分たちが会社組織としてできる事は何なのかを考えて、できる事を粛々と進める事が大事だと思う。

 

 

<次回へ続く>