ダイバーシティ

ダイバーシティ&インクルージョンについて色々思ったことを書いたブログ

営業本部でのダイバーシティ推進活動 4

  ダイバーシティを推進していく上で、組織も個人も柔軟性(フレキシビリティ)を持つことが重要であると思う。

  もちろん会社として就業規則等で、育児休業期間を延長するとか、在宅勤務制度を導入することなど制度の充実も重要だと思うが、本当に重要なのは、それを活用できる環境を整えることである。働きやすい素晴らしい制度はあるけれど、その制度をいざ利用したいと手を挙げることに、とても勇気がいる職場環境では十分とは言えない。「えっ、男性育休取るの、この忙しい時期に…」的な一言がどれだけ本人に影響を及ぼすか、少なからず部下を持つ立場の人は、意識しなければならない。あるいは「そう言われるに決まってるから相談したくない」なんて状況は、特に憂慮されなければならない(これらに関しては別途詳細について書きたいと思う)。

   女性社員に限らず、上司と部下の信頼関係を築き上げることは、本人の能力を導き出すためにも非常に重要である。制度の充実化よりも優先順位は高いのではないかと思う。そのためには具体的に何が必要か?

   「はいこれです!」と一言で言い切れる特効薬はないが、まず第一にコミュニケーションの質を上げることではないだろうか。

 前回のブログで書いた、「セクハラではないか」とか「上司たちの酒の肴(話題)にされるのではないか」という懸念は、結局のところ、コミュニケーション(あるいはその能力)の不足から来るもので、上司が部下を持つ立場になった時に、正しいコミュニケーションに関するトレーニングを受けていないと、自分なりのコミュニケーションスタイルや、あるいは自分が部下であった時の上司を思い描いて、部下との接し方を選んでしまいがちである。今まではそれでうまくいったかもしれない。なぜならば、自分が男性で上司も男性だったからだ。だから、そのスタイルで女性の部下とコミュニケーションをとった時に、なんとなくしっくりこないことがあっても、それは自分ではなく(マイノリティである)部下の方に改善の余地がある、なんて思ったりすることもあるのだ。だって自分も、多くの他の部下もそのコミュニケーションがしっくりいっていたから…。

 ダイバーシティを推進してイノベーションをビジネスに吹き込みたいのであれば、上司は、よりこのコミュニケーションの多様性をスキルとして身につけること意識する必要がある。

  一方で、組織は、個人任せにするのではなく、そのスキルを上司一人ひとりが身に着けられる様に、トレーニングを提供し管理職を育成していく必要がある。

 結果として、性別、国籍等に関係なく様々な個性を持った社員の能力が引き出せる様になるひとつの大きなきっかけとなるはずだ。

 ダイバーシティを推進していく上での成功の鍵は、直属の上司が握っていると言っても過言ではない。

<次回へ続く>