ダイバーシティ

ダイバーシティ&インクルージョンについて色々思ったことを書いたブログ

ダイバーシティを理解するために 2

 

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  「ダイバーシティは解決されるべき課題ではなく、活かされる強み…」、何となくではあるが、その言葉を聞いた時に、一つの壁をスッとすり抜けたような感じがした。

 2017年の現在、一億総活躍社会とか女性活用とか言ってるけど、何と言ったらよいのか、その具体的な対応策はどのような目的を持って進められているのかなと考える事がある。

 ぼくが2004年に営業本部のダイバーシティ担当になった時にも、何か今横たわっている課題を解決しなければ的な発想から始まっていたような気がする。当時(今もかな?)はジェンダーダイバーシティが主流で、営業本部の総合職の中の女性比率は約10%と圧倒的に少なく、入社5年以内の彼女達の離職率も20%近かったと記憶している。

 理解が不足していると、ついつい枝葉の戦略や行動計画に走ってしまうのだけれど、本来の目的は何なのかを理解しておかないと、結局何のためにやっているのかわからなくなる。

 ダイバーシティをなぜやるのか?

 それは、課題を解決することではなくて、ダイバーシティに取り組むことで、企業にとっても、そこで働く個人にとっても価値があるからであり、それが目的となるはずだ。

 そもそもダイバーシティと言うのは、一人ひとりの違いが尊重され、価値を置かれ、個性が発揮される環境の事であり、そのような環境を組織で実現すると、モノカルチャー(例えば、日本人の男性だけの組織)な環境よりも、イノベーティブ(革新的)で付加価値のあるアイデアや製品が生まれやすくなる…。つまり違いが活かされることによって価値のある差別化(競合優位性)が生まれやすくなり、それにより企業の業績が良くなる訳だから、企業にとってはビジネスメリットが生まれ、取り組む価値がある。一方、そこで働く個人は、自分の活動や意見が価値を置かれ、積極的に会社で個性を発揮することによって、成長し、人生に充実感を感じる事が出来る。

 「働き甲斐のある会社ランキング」みたいなのがあったが、たしかぼくの働いていたこの会社は、連続して1位にランキングされていたことがあったと記憶している(たぶん…)。

 上に書いているようなことは、随分後になってから分かったことなんだけど、  ぼくがダイバーシティを進めていく上で「解決されるべき課題ではなく強み」という考え方に基づいているのは、この時からである。

<次回へ続く>